歌舞伎座こけら落とし吉例顔見世 夜の部
2013-11-25


2013年11月22日 歌舞伎座 午後4時半開演 1階15列12番

忠臣蔵

「五段目」

又五郎の千崎は、周りを見回しながら勘平の言葉を大声で打ち消すあたり、敵討ちの企てを知られまいとしている感じがよく伝わる。

与市兵衛役の人は大抵、声が小さくて聞き取りにくい。今月もそうだ。

定九郎は松緑だが「五十両」の台詞の中には苦手な発音がないようで、いつもの舌足らずな感じがなく、冷血な若い男の雰囲気だった。
席が遠かったせいか、動きが速かったのか、勘平に撃たれた後、口から血を流すところがよく見えず、腿から血が出てきたように見えた。
殺されて、長い足を惜しげもなく舞台上にさらして倒れている定九郎。
勘平が足の先だけでなく全体を触ってみていたら、年寄りの与市兵衛でないことは絶対にわかったのに、と思った。

「六段目」

去年の花形の忠臣蔵は勘平が「いかなればこそ勘平は」と言わなくて淋しかった。菊五郎の勘平を楽しみにしていた。やっぱり良かった。
おかやの東蔵が良かった。
時蔵のおかるはしっかりした女房で、泣き声も太くて、若妻の雰囲気ではない。
千崎は五段目に続いてここでも、外に出てあたりを見まわしたりして警戒している。何度も観ているのに、今回初めて強く印象に残った。

「七段目」

おかるは福助が休演で、代役の芝雀。福助は過去に2回見ているし、芝雀に合う役だと思うので、見られて嬉しい。
梅玉と芝雀の兄妹はサラサラしていて、私の記憶にある2人のやり取りの要所要所が印象に残らないでサラサラ流れて行ってしまうように感じた。

梅玉の平右衛門はうまいし、絞りの柄も似合うし妹への情愛も感じるが、小身者という感じはしない。座敷に三人侍と由良之助がいて、下に平右衛門がいても、平右衛門に殿様の雰囲気がある。

三人侍は権十郎、松江、歌昇。仲居たちにお獅子とはやされるが、3人とも優しげな顔。

きょうの見立ては歌舞伎座と、風力発電だった。

鷹之資が力弥。

「十一段目」

小林平八郎(錦之助)が舞台に出てくると、花道から磯貝役の隼人ともう一人が出て来て、舞台で親子対決。その後、竹森喜多八の歌昇が花道から、ここは俺にまかせろと出て来て泉水の立ち回りになる。
平八郎が正面を向いて喜多八が肩ごしに投げられたり、横向きで喜多八がくるりと前転したり、よく動いていた。
[歌舞伎]

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