2013年 松竹座 二月花形歌舞伎 初日 夜の部
2013-02-04


2013年2月2日 松竹座 午後4時開演 1階3列6番

「GOEMON」

客席に入ると、舞台の幕は下りてなくて、鉄骨の柱と、後ろのネオンサイン「GOEMON」が見えた。
愛之助のフラメンコを見るのがチケット購入の一番大きな理由だったが、全体としては「寄せ集め」の印象を受ける舞台の中で、期待以上に日本舞踊が良かった。昼の部の「新八犬伝」は、梅枝、壱太郎、種之助という踊り手をそろえながら実際に踊る連中はへたっびばかりで興ざめだったが、「GOEMON」では、大人っぽい踊りの梅枝、立ち回り中心の種之助、可愛い梅丸、出雲阿国役で踊る壱太郎の踊りを見られて、大満足。

第一部 

石田の局(梅枝)は明智光秀の家臣の娘で、秀吉に報復したいと思っていたが、スペイン人宣教師カルデロン神父(松也)とできてしまい、子供ができる。その子供が友市(吉太朗)。
破戒したカルデロンは還俗して通訳になり、親子三人でくらすようになる。
7年後、秀吉(翫雀)がキリシタン禁止令を出し、カルデロンは国外追放となりスペインに帰る。秀吉は石田の局に聚楽第に入るように命じる。息子の友市と別れた石田の局は秀吉を殺そうとするが失敗して命を落とす。

聚楽第にいる石田三成は梅丸、加藤虎之助は種之助。梅丸は可愛くて森蘭丸みたいだ。2人が喧嘩して立ち回りをするのが可愛い。

女好きの秀吉は、ややこ踊りで人気の出雲阿国(壱太郎)に興味を持つ。阿国の役で出てきて踊る壱太郎は綺麗だった。

ある夜、秀吉が阿国を寝所に呼び寄せたところへ北政所(吉弥)が現れる。秀吉は北政所には頭が上がらない。阿国をつづらの中に隠す。つづらからはみ出している阿国の着物の袖を見て、鼻で笑って立ち去る北政所。吉弥がはまり役。

聚楽第に曲者が入ったと知らせが入る。その曲者は五右衛門(愛之助)と名乗る大泥棒で、友市が成長した姿だった。五右衛門は阿国が逃げ出すのを助ける。

立ち回りの中で、梯子を花道から二階席にかけて愛之助が二階に顔を出した。

台に載ったつづらが舞台から花道に押されてきた。そのつづらにロープがついていて、宙乗りの準備態勢に入る。自分の頭の上に落ちてきそうな不安とともに上を見上げていたら、やがてつづらが開いて中から五右衛門役の愛之助が現れた。真下から見上げているので、足の裏が見える。途中でぐるりと回ったりしながらゆっくり宙乗りして、三階に消えた。

第二部

第二部の最初はスペインの酒場。
カルデロン役の松也がフラメンコを踊る。 回想シーンで、友市役の吉太朗が花道のスッポンから出てきた。袴を履いているが、靴だったので、きっと踊るだろうと期待が高まった。2人で足を踏み鳴らす、父子のフラメンコは楽しかった。最後、吉太朗の小さな手がスッポンへ消えていった。
この後フラメンコを踊る愛之助も壱太郎も着物で、結局洋服で踊ったのは松也だけ。スタイルが良いから洋服姿もさまになるが、足の動きがはっきりわかるし、チャレンジングな役だった。

五右衛門は生野神社で阿国の夫の名古屋山三(吉弥)に出会う。山三も明智光秀の家臣の息子で秀吉を仇と狙っていることを知り、三人で力を合わせて秀吉をやっつけることにする。

阿国のややこ踊り以外に、お菊(梅丸)の女猿楽一座も現れた。梅丸を真ん中に女形の役者たちが踊る。このシーンの梅丸は、踊りもうまかったし、自分が真ん中なのを意識して愛想をふりまいているようで、超可愛かった。

阿国は、ややこ踊りの人気が高かったが、最近では見飽きたといわれて人気が落ち、悩んでいる。新しい踊りを模索する阿国に、五右衛門が幼い頃にスペイン人の父に教わったフラメンコを踊って見せる。

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[歌舞伎]

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