三月大歌舞伎 昼の部
2007-03-21


2007年3月21日 歌舞伎座 午前11時開演 3階1列32番

間違えて買った11日のチケットを差し上げた会社の人がとても面白かったと言ってくれたので私もどうにか行きたいものだと月曜日にチケットウェブ松竹で探したら祝日の今日の3階1列目があった。もうウォッホッホーイとでも叫びたいような幸運。

そこに不幸が一つ。最寄駅で総武線に乗ったら前の電車が隣の駅に着く前にブレーキがかかったので車両点検をしているためしばらく止まる、というアナウンス。結局開演時間に間に合わなかったので「鳥居前」はあきらめることにし、プロントで食事をした後に歌舞伎座に行った。あそこがプロントになったのに気づかなかった。歌舞伎座帰りの客を取り込むのに絶好の位置にあるのに全然関係ない店とか夜の部終了のときには既に閉店しているような店ばかりで何を考えてるのかと思っていた。便利なのでまた行きたい。

「渡海屋 大物浦」

比べてみて、浅草はいろんな意味で若くて口あたりの良い「渡海屋 大物浦」だったのだとわかった。きょうの座組の方が正調な歌舞伎の芸として骨太なものだったと思う。

典侍局の日和見の話は七之助のときは歌をきくように聴いていたが今日の藤十郎は芝居の台詞に聞こえた。藤十郎はこれよりも前のお柳の台詞が聞き取りにくかった。大物浦になってから、安徳天皇の役の子は同じなのだが七之助の方が年齢が近いせいか実際に自分で抱えているせいか子役との心の距離が近い気がした。七之助のときは乳母と帝の2人の関係を強く感じたのだが藤十郎は乳母というより平家の一員であり、帝に話しているというより観客に語っているように見えた。

幸四郎は銀平のときは上背もあり台詞も、好みは別として獅童よりうまいと思った。知盛の白い衣装は獅童の方が似合い、舞台の真ん中での踊りも獅童のときかっこいいと思った足を踏み鳴らすところも気づかないうちに花道に行ってしまってつまらなかった。

相模五郎と入江丹蔵は今回は歌六と高麗蔵。浅草の亀鶴と愛之助の方が仲良さそうで楽しかったが歌六のようなやり方が正統なやり方なのだろう。亀鶴は特にコミカルな役が面白いのだがいつも似たようなノリでやるので役そのものが似通っているような印象になるのではないだろうか。入江丹蔵役の愛之助は亀鶴に合わせた演技をしたのだろう。

「吉野山」

昼の部はこれに逸見藤太役で出る仁左衛門がお目当て。花道の奥から声が聞こえただけで嬉しい。おかしな化粧の顔なのだが出てくると華やかな舞台がさらに華やぐ。ちょと困る、というと本当に困ったように見える。仁左衛門がごちそうで出るときの明るさ、華やかさが爆発。やっぱり観てよかった。 仁左衛門の藤太のことは絶対忘れないけど菊五郎と芝かんのことは忘れちゃうんだろうなあ。

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